十月の十四日と十五日は鎮守様麻賀多神社の祭礼です。
十四日には町内下宿に幟立を立てます。
十四、十五日ともに「御神燈[ごしんとう]」と書きたる大提灯を榊[さかき]とススキを添えて提灯釣[ちょうちんつり]に下げて、門の柱又は表の出入口に飾り立てます。
この祭には甘酒と赤飯がつきものです。甘酒は前日に作る一夜作りで十三日に作ります。十五日、朝に栗を炊き込んだ赤飯「栗おこわ」を作り、家の神々と産土神[うぶすながみ]に供えます。この日に餅をつく家もあります。
『酒々井町の年中行事』
麻賀多神社の山車と人形
麻賀多神社の祭礼は酒々井村の祭礼です。
麻賀多神社は古代から印旛郡の鎮守であり印旛沼の東に約二十社があります。祭礼は十月十四、十五日が例祭日で今日も変わりありません。
酒々井村の麻賀多神社は天喜[てんぎ]年間(1053~1058)の頃に村の成立とともに鎮座したと伝わっていますので、酒々井の村祭りはこのころから伝わってきたのかもしれません。
祭礼には山車人形を飾った山車が引き回されていたといいますが、昭和二十一年を最後に引き回しはされていません。
山車人形は名人三代目仲秀英[なかしゅうえい]が作成した「小野道風[おののとうふう]」(町指定文化財)で、安政[あんせい]六(1859)年に佐倉肴[さかな]町が所有していた人形を山車と共に明治十二年頃に酒々井に譲られたものです。
麻賀多神社 山車人形
「小野道風」、神社には関東型の山車がある。
(酒々井町指定文化財)