公開日 2018年03月23日
巨大な土の城郭
本佐倉城の最終形態は10の郭と衛星状に配した宿を惣構により囲い込んだおよそ南北2キロメートル、東西1キロメートルの巨大城郭です。
築城当時は内郭群の一部分程度の規模であり、16世紀後半頃から現在の姿へと整備されていったと考えられます。城の構造は、北総台地の特徴である台地とその奥深くまで谷津が入る複雑に入り組んだ地形を利用し、台地を削り谷を埋め堀や土塁を配し郭を作った「土の城」です。
【イラスト 本佐倉城全体図】
内郭群【城山,奥ノ山,倉跡,4郭(無名郭),東山・東光寺ビョウ,
セッテイ山】
外郭群【荒上,向根古谷,根小屋】
【イラスト 本佐倉城周辺図】
城の周囲には佐倉宿、酒々井宿、鹿島宿、浜宿湊が配置された。北側に古河まで通じる水運の大動脈である香取の海が隣接し、南に銚子、芝山、東金、千葉、(武蔵)等東西南北に伸びる街道の交差地点があり水上交通、陸上交通の要衝に立地していた。
発掘された千葉氏の屋敷群
城内で最も重要な詰めの郭である城山では、主殿、会所、庭園遺構、門、櫓等で構成される当主の屋敷群が発見されています。また当時使用されたかわらけや瀬戸美濃・常滑産製品、貿易陶磁器類などの遺物も多数出土しており戦国期に歴代千葉氏当主が居城した実感が得られます。
【城山で発掘された千葉氏の屋敷群 イラスト】
主殿は当主が執務や客人との対面をする場所、会所は客人と宴会等をする場所と推測される。会所の南には庭が作られ茶室と思われる小さな建物が付属している。
発掘調査で天目茶碗や茶入れ、茶臼等の茶道具も出土しているため庭を眺めながら茶を楽しむこともあったかもしれない。
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